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 「ひきこもり」問題とはあまり関係ないことですが、以前、私のチャットにあるお母さんがやってきました。このお母さんは、高校1年の女の子をお持ちで、彼女の件で相談を受けていたわけです。

 そこに現れたのは、「親の会の情報を収集している」という17〜8才の男で、私がこのお母さんに話を聞いている横で、「どこに住んでるんですか?」「○○だったら、親の会がたくさんありますよ」としきりに話しかけていたんです。このお母さんは「はぁ〜」と返事するばかりでした。

 こっちも迷惑なので、この男には強制的に立ち去っていただきましたが、このお母さんは娘さんのことで手一杯で、親の会のことなど頭になかったようです。他にも、親御さんから相談いただき、こちらから親の会への参加を勧めたこともありましたが、実際に参加した親御さんは皆無です。

 結局のところ、「同じような境遇の人と、関わりを持とうとする人が一部にいる。」程度のことで、そういう人が集まってできたのが「親の会」なのでしょう。だから、そういう集まりに合う人と合わない人がいる、ということです。マスコミの人たちも、そういうことを頭に入れて「親の会」を取材してほしいですね。

「いじめ」や暴力のない環境で、すべての子どもが育つことのできる社会を。
「いじめ」や暴力のない環境で、すべての子どもが育つことのできる社会を。「あした、いいこと」の願いです。

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2009/01/01 更新

「ひきこもり」ってなあに?(タイトル)
その5 親御さんの胸のうち

親御さんの胸のうち

相談する親御さん、相談しない親御さん

 次は親御さんを中心にご家族の心境について触れてみます。「ひきこもり」問題に限らないのですが、何らかの問題を抱える子どもを持つ親御さんが集まって「親の会」を作っていることがよくあります。

 でも、私の感覚では、「親の会」に参加される親御さんは、ひとことで言うと社交的な方だと思います。そして、おそらく、このことを誰に話しても相手にされず、あるきっかけで集まった人たちが「親の会」として集団を作っているのです。また、こういった問題に元々から関心を持っているように思われます。

 じゃあ、そうでない場合はどうなんでしょうか? ご本人から相談いただいた場合には、「親はどうしているのか」を必ずお聞きするのですが、ひとことで言って、こういった問題に関心が無いようなのです。

 そして、事あるごとに「いつまでそうしてるんだ」「なぜ働かないんだ」などと急かしたり、罵ったりしているそうです。働く年齢に達していても働かないのだから、そのように言われても仕方ないんですが、それでも、当人は好きで働かないのではありません。「働けるのなら働きたいけど、不安などがあって動けない」という人が多いんです。その理由は、「なぜ『ひきこもり』状態になるの?」で述べたような理由だったり、職場で受けた理不尽な仕打ちなどのため、仕事を探そうにも不安が多くて動けないという人が多いと思います。

 親御さんに対して、そういったことを変に「理解しろ」とは言いませんが、「なぜ、働けないのか?」という部分には関心は持っていただきたいし、「世の中には、自分にとっては当たり前のことでも、大儀な人がいる」くらいのことは一般常識として覚えておいていただきたいです。

 とはいっても、親御さんが高齢だったり、相談した時点で相当悩み疲れている方もいます。また、「本人が働か(け)ないこと」について親御さんが被害者意識を感じていることもあります。また、親御さんではなく、ご兄弟から相談をいただくこともあります。多くは、結婚などで別居しているお姉様や妹様ですが、本人に気付かれるのを恐れてか、相談できない親御さんも多いようです。

 ご本人の件で病院へ行ったり、カウンセリングを受ける親御さんもいます。病院などでは、様々なアドバイスを受けるのでしょうけど、それで解決することはまずありません。そのあたりで、親御さんには相当なストレスになっているかと思います。結局、すべての問題を本人や家族だけで抱え込んでしまわなければならないのがいちばん不幸なことです。

 

れっつくっき〜んぐ!

ご家族にお願いしたいこと

 多くの場合、ご本人は他者との関係を拒んでいるのですから、親御さん(ご家族)が友達役、人生の先輩役、そして場合によっては恋人の役までやらなければなりません。私はあまり好きじゃないんですが、状況的にみて他に方法はありません。

 とはいうものの、始めから言葉を交わすのは難しいと思うので、とりあえずは交換日記あたりから始めてみてください。始めのうちはなかなか返事を書いてくれることはないと思います。それでも、あなたの失敗談や人生観などを根気強く書いていくと、時間はかかるど少しずつ(場合によっては3年以上)本人も安心し、やがて返事を書いてくるようにはなるみたいです。

 また、本人と目が合ったら、一言でいいから声をかけてあげてください。「おはよう」「おやすみ」などあいさつ程度で十分ですが、まちがっても、不安を煽るような言葉、例えば「これからどうする」「親が死んだらどうする」などは絶対禁止です。当然ですが、仕事のことを口に出すのも厳禁です。

 そして、ある程度落ちついてきたら、あなたの知人、友人(カウンセラーでもOK)などに会わせてみて話をさせるなど、いろいろさせてみてください。当然、相手は選んだ方がいい(学歴のことしか自慢できないような人はダメ。むしろ、いやらしい話が好きな人の方がいいかもしれません。)し、相手もこの問題に理解があった方がいいでしょう。

 その後はそれぞれ違ってくると思いますが、大切なことは、「どうやったら本人の気持ちを前向きにさせ、不安を取り除ける」か、ということです。時間はかかりますが、地道で献身的な努力が必要です。

 とはいえ、今述べたことは、言いかえれば「ひきこもり」など言う以前に「お互いが良い関係であるために、自分は何をすべきか?」という問題だと思うんです。つまり、資格などはなくても、ちょっとした気使いがあればできることだと思います。

あゆちゃん

専門家は「親(家族)が悪い」と言いますが・・・

 テレビに出てくる専門家(カウンセラー、精神科医、心理学者etc.)は、親子(特に父親)の関係がどうのこうの言っています。

 でも、これはどちらかというと、「この問題で金儲けしたい人(出版社など)が一方的に作り出した理由」と言えるでしょう。このように言うと、「ひきこもり」関係の書物がたくさん売れるのだと思います。また、この問題に関係ない人は、「親が悪い」と言われれば、納得しやすいでしょうね。

 でも、こういう考え方は、「ひきこもり」の原因を家庭だけに押し付け、社会と「ひきこもり」問題との関わりを閉ざしてしまうことになります。次項で述べますが、この問題は医者やカウンセラーより、むしろ一般の人たちがどのように手を差し伸べるかが大切なんです。変な話ですが、「ひきこもり」と呼ばれる人たちは、医者やカウンセラーの中で生きるのではなく、社会の中で生きていくのだから・・・。

 確かに、親御さんには「こういう状態を長引かせたり、本人の状態を悪くしてしまった」意味での問題はあるでしょう。しかし、先ほど申し上げたように、いろんな親御さんがおられます。親御さんにも、こういう問題に積極的に向き合える人とそうでない人がいるわけです。そのあたりを、「専門家」と呼ばれる人はどこまで理解なさってるのでしょうか?

 少なくとも、人間は常に最良の選択ができるくらいに賢い生き物ではありませんので、このことだけで、親御さん(ご家族)を責めることはできません。

 とはいうものの、ご本人にしても、ご家族にしても、自分の手に負えなくなったら、「何とかしてくれ〜」と社会に助けを求めてほしいのです。勇気のいることですが、それをしないと、「あなたたちが困っている」ということが誰にもわかりません。これがこの問題を深刻にしているいちばんの原因かもしれないのです。ここは勇気を出してほしいのです。私からのお願いです。

れっつくっき〜んぐ!