特にカウンセラーの方にお聞きしたいことですが、どういう時に人は悩みを相談するのでしょう?
ご自身の身になっても考えていただきたいのですが、悩み事ができても、すぐに人に相談することは少ないはずです。
「いじめ」を例にとっても、初期の段階で相談する人はほとんどいません。「いじめ」の初期というのは、「悪ふざけ」程度のことも多いので、相談するほどのこともないのです。10年以上前の話ですが、「いじめられた時、どの段階で相談するか?」というアンケート(他者が実施)があり、一番多かった回答は「『お金を持って来い』と脅された時」だったことを覚えています。「始めのうちは、何とか自分で解決しようとしたり、自然消滅することを期待したりするが、犯罪などが絡んで来て初めて人に相談する」と多くの人は考えるようです。
つまりは、「人は悩みを持った時、ある程度は我慢したり、自分で解決しようとする。それに限界を感じた時、初めて人を頼る」ということでしょう。
私は、こういったことを「虫歯」になぞらえ、「虫歯の法則」と勝手に呼んでいます。虫歯だって、痛くなり始めた頃は、まず自分で何とかしようとします。虫歯の性質上、痛みは治まらないんですが、歯医者に行くのは面倒だし、行ったとしても「何でもっと早く来ないんだ」と咎められるのが嫌なので、自分で何とかしようとするわけです。
もっとも、身近に信頼できる歯医者がいれば、ひどくなる前に歯医者に行けるかもしれません。相談事も同じで、身近に信頼できる人がいれば、もっと早いうちに相談できる可能性があります。私自身はネットだけですが、皆さんにとって「身近な人」になりたいと思っていて、皆さんに相談してもらえるように、どうすればいいか考えています。また、相談を受けた時は、相談した人はすでにかなりの期間悩んでいるわけだから、まずは相手を受け止めて、信頼関係を築いていきたいですね。
2009/02/04 更新
「いじめ」や暴力のない環境で、すべての子どもが育つことのできる社会を。「あした、いいこと」の願いです。