「不登校・高校中退・ひきこもり」の情報提供サイト<あした、いいことあるかな…>
あした、いいことあるかな…(トップ) > 「こころのはなし」 > 動いたことが問題か? 動かなかったことが問題か?

ねたろーの「こころのはなし」

性格や心の動きなど、さまざまな「心の話」をねたろー流に解釈してお話しています。

動いたことが問題か? 動かなかったことが問題か?

 親御さんから子どもについての相談をお受けした場合に、「(子どもが、)動いたことが問題なのか? 動いてないことが問題なのか?」ということが問題になることがあります。

 「学校に行けなくなった」という相談にたとえると、前者の場合は、「本人が他の子どもに何かをして反感を買い、それがショックでいけなくなった」ということが挙げられます。また、「勉強や学校が面白くない」とかで学校に行かなくなった場合も、本人の意思で行ってないのですから、こちらに含まれます。一方で、他から危害を加えられたり(「いじめ」など)、友達ができずにクラスで孤立して学校に行けなくなった場合は、本人は何もしていないのですから、「動かなかったことが問題」ということになります。

 だから、それぞれのタイプで接し方は大きく変わってきます。前者の場合は、多くの場合、本人に落ち度があるのだから、その部分でアドバイスすることが可能です。しかし、後者の場合は、本人には元々落ち度はないので、アドバイスのしようがないのです。(「おとなしい」というのは落ち度ではない) もしアドバイスするのであれば、本人の性格など内面的な部分や、周囲の人(親など)が困惑している部分を指摘するようになるのですが、「いつものように」振舞うことを変えることは不可能に近く、現実的なアドバイスにはならないのです。また、性格にコンプレックスを抱いていることが多いので、それを指摘されると傷つくし、こんなことを言う人を信用できるはずもありません。余程殊勝な子なら、そう言われて頑張るんでしょうけど、そういうことを期待してはいけないのです。

 「いじめ」自殺が多いためか、新聞には「いじめ相談」の電話番号がずら〜と書かれていることがあります。でも、被害を受けた子(つまり、「動かなかった子」)がそこに電話をかけて、「電話してよかった」と思えるような答えを出しているのか、そのあたりが疑問です。実際、私自身も、「いじめ」で相談されて、上手く答えることはできないと思っているくらいです。(2006/11/28 作成)

2009/02/04 更新

「いじめ」や暴力のない環境で、すべての子どもが育つことのできる社会を。
「いじめ」や暴力のない環境で、すべての子どもが育つことのできる社会を。「あした、いいこと」の願いです。