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全日制の高校

最近は「不登校」の子への配慮もあり、それなりの準備をすれば、全日制も目指せます。ここで言う「全日制高校」とは、通常の全日制の他、「昼間定時制」など週4日以上の通学を必要とする高等学校を指します。

ハードルは高いと思いますが、今中3であれば、怪しげな通信制高校よりも、一度は全日制を検討いただきたいと思います。

「不登校」生の受験(私立高校の場合)

だいぶ前のことですが、この件で各私立高校にアンケートをお願いしたのですが、回答いただいた学校では「不登校」だったからといって入学を拒むことはまずないようです。

ある高校からは、「残念ながら、『不登校』生を、積極的に受け入れる体制にはなっていません。」としながらも、「そうした生徒たちにとって、高校への『入学』が、もう一度学校生活を踏み出す上で、新たな良い機会になりうることもあり、本人の状況によっては、出来る限り『不登校』をハンデキャップとしないように捉えています。」というコメントをいただきました。

書店などにおいてある「高校ガイド」にもこの件についての記述があり、ほとんどの高校で受け入れ可能、または相談に応じてくれるようです。

また、「内申書に出欠関係の記入欄がなく、書類上は『不登校』かどうかわからない」という学校もあります。

「不登校」生の受験(公立高校の場合)

かつては内申書の問題で受験しても合格できなかったのですが、公立高校でも都道府県によって違いはあるものの、

「不登校」生に配慮した合否判定

をするところが増えています。だいたいの所では、受験生は次のようなことを「自己推薦書」に書き、願書と共に提出します。

合否判定は、当日の試験の成績を重視して行ないますので、それなりの準備が必要です。

また、こういった制度がない県でも、受験を希望する高校に出向き、事情を説明することでこういった配慮をしてもらえるはずです。

「中退生」の編入学は?

※ 編入学というのは、他の高校などの1年次以上を修了し、受験する学校の2年次以上に入学することを言います。念のため。

かつては、一家転住の場合を除いてほとんど不可能でしたが、最近は受け付けてくれるところもあるようです。

私立の場合は、学校によってまちまちです。とはいえ、認める場合でも、学力面はもちろんですが、「残りの1年なり2年の間、この学校で充実した高校生活を送れるかどうか」を面接などで厳しく問われますので、それなりの覚悟はしておいてください。

公立の高校でも積極的に受け付けてくれるようです。が、この場合も本人が編入したい高校の校長と面談することになるので、生半可な気持ちでは実現しないし、親が一人で騒いでるような場合はまず無理でしょう。

入試に向けた準備など

 なぜ高校に行きたいのか?

何よりもこれが大事です。面接のある高校では「志望理由」を必ず聞かれます。それが言えないからといって、落とされることはまずないのですが、将来、どんな仕事につきたいか、どんなことを勉強したいか、という目標は持ってください。それを考えるために、下で述べる「同じ境遇の人」「教えてくれる人」の存在は有意義だと思います。

また、受験勉強がうまく行かなくなったり、高校入学後人間関係などでトラブルがあうこともありますが、目標を持つことで、それを支えにしてがんばる(我慢する)ことができたりします。

高校を受験するとなったら、それなりの準備が必要です。先述のような配慮があるといっても、入試当日の1発勝負ですので、合格できるだけの学力がなければなんにもなりません。少なくとも、3年になったら準備をはじめましょう。そのためには、勉強の方法、教えてくれる人、同じ境遇の人、それに情報収集の手段を見つけておくことが必要不可欠です。以下に、それぞれについて触れます。

 勉強の方法

教科書だけでなく、自分に合った問題集、参考書を見つけておく。また、長期間学校に行ってない人は、どのあたりから理解できてないのかも把握する必要があるでしょう。

塾の先生などが授業をYoutubeなどで公開していることがあります。おそらくは教科書通りに授業を進めていると思うし、テキストもその人のホームページなどで公開されていると思いますので、活用してみてはいかがでしょうか?

 教えてくれる人など

独学でやってもかまわないし、進研ゼミみたいな通信添削もあるのですが、やっぱり誰かに教えてもらった方が理解しやすいし、家にいることの多い人にとっては、誰かと触れ合う機会にもなります。事情にも寄るのですが、時間的にも切迫していることを考えれば、独学でやることには疑問です。

勉強だけでなく、それ以外の相談も安心してできる人を見つけてください。できれば、親の知り合いのつてで見つけた方がいいです。それがダメなら、少々お金払ってでも、この分野に詳しい人を探すべきでしょう。あなたの人生の大イベントですので、大学生のアルバイトはやめた方がいいです。ボランティアなど持ってのほか。また、「人と会うのが恐い」という人も、高校入学後はたくさんの人たちと過ごさなければなりません。高校に行きたいんだったら、このあたりはがんばってほしいです。

 同じ境遇の友人

やっぱり同じような事情を持った人が知り合いにいることが、いちばん安心できると思います。近くに住んでいて、同じ学校を受験するような人が望ましいです。チャット仲間やメル友でもいいのですが、長く続けるのは難しいので、おすすめはできません。

 情報収集

学校側がしっかり教えてくれれば十分なのですが、それがない場合は自分でやらなければなりません。最近はホームページが出ている学校もあり、そこにコースの紹介、進路、入試の情報など紹介されているので、これらを元に志望校を決めていくといいでしょう。学校見学会の案内なども書かれているので、積極的に参加してみてください。

また、年に数回、模擬試験(大阪なら「五木の模試」)があり、受験することで自分と志望校の距離がわかり、学習の指針にもなりますので、積極的に受験しましょう。受験できないのなら、自宅受験や、模試の問題を集めた問題集もありますが、最低1回は自ら試験会場に出向いて受験するのがベストです。(塾に行っていれば、塾が試験会場になっている場合もあります。)

2020/5/16 更新