このページでは、「不登校」「高校中退」について「ねたろー流」の説明をしています。
1990年代後半、学校に行か(け)ない子が増えたり、少年犯罪などの問題に対応するため、文部(科学)省は、各学校に「臨床心理士」の資格を持つ「スクールカウンセラー」という人を配置しました。しかしながら、当サイトからいただく相談などを見る限り、この人たちが学校でどういう役割を果たしているのかは、少なからず疑問があります。
でも、効果が出ないのは最初から明らかだったのです。元々、文部(科学)省のお役人たちは、スクールカウンセラーの役割などを細かく議論せず、「専門家(臨床心理士の資格を持った人)を学校に派遣すれば、悩みを持った人が利用するだろう。」くらいにしか考えていなかったのだと思います。「専門家」といっても、当人からすれば赤の他人であることに変わりはなく、赤の他人に自らの悩みを打ち明けることは非常に勇気のいることです。
大きな災害が起こった時、「カウンセラーを現地に派遣した」という報道がなされますが、カウンセラーのいる所に出向いて、相談する人がどれくらいいるのでしょう? 実際、2005年の福知山線脱線事故の時は、ご遺族の家庭を訪問したら、追い返されたという話すらあります。実際、カウンセラーに相談したら、亡くなった人が生き返るんでしょうか?
「あした、いいこと」では、アンケートのページでカウンセリングを受けたことのある方に感想などをお聞きしていますが、それでも全体の3分の2の人は「良かった」と答えています。でも、「どこが良かったのか?」というと、「自分の話を聞いてくれた」「優しかった」など、カウンセラーの「専門家」としての役割(精神分析や問題解決につながるアドバイス)以前の部分が中心でした。
そうなると、本当にそういう人を学校に常駐させる意味があるのか、私は疑問に感じています。その程度の役割しかないのであれば、わざわざ「臨床心理士」という狭き門の心理系の大学院を出ないともらえない難しい資格を持った人を派遣する必要はないでしょう。その点、税金の無駄遣いでもあります。
「不登校」ではなく、「相談室登校」と呼ばれている子どもがいます。何らかの事情があって教室に敷居を高く感じ、教室に入れない子たちが、「相談室」という特別の部屋で1日を過ごします。以前は「保健室登校」といって、保健室の先生が相手することが多かったですが、スクールカウンセラーが配置されると、こういった子どもを相談室で扱うことになり、この子たちの「教室復帰支援」もスクールカウンセラーの仕事となりました。
相談室に通う子から相談が来ることがあるのですが、スクールカウンセラーは「がんばれ」と尻を叩くだけで、その子と教室にいる人との問題に関わろうとはしないそうです。早く教室に戻そうとするなら、教室にいる生徒に休み時間に遊びに来てもらうなど、その子の教室への敷居を低くするところから始めるべきですけど、その子は「同じクラスの人が遊びに来てくれない」とメールによく書いていました。
それどころか、「甘えるな」「このままじゃ社会に出てやっていけない」「お前は弱い(ダメな)人間だ」と教師やカウンセラーが脅し、腕をつかんで無理やり教室へ引きずっていったというケースすらあります。さらに、相談室に同じクラスの女子全員を連れて行き、教室へ引きずる一部始終を見させたという、あまりにもむごい仕打ちを受けた子もいます。人権侵害ですね。
2001年の10月ごろ、「相談室に通う2人の中学生が、学校近くのスーパーから飛び降り自殺した」という事件がありました。この2人は相談室で親しくなったようですが、スクールカウンセラーも相手をしていたようです。でも、この事件が報道された際に、この2人に対してスクールカウンセラーがどう対応していたのかが非常に気になっていますし、そのことをマスコミが全然追及しなかったことが残念です。一方でマスコミは、同じ学校の生徒たちに自殺した2人のことをあれこれ聞いていましたが、みんな他人事のように淡々と答えていました。相談室の子をそのくらいにしか思ってないなら、大きな問題だと思います。なぜなら、前述しましたが、この問題の解決には教室にいる子どもたちの協力が必要不可欠だと考えるからです。
相談室やスクールカウンセラーについて、首をかしげるような話がこれ以外にもあります。悪口ばかりになりますが、
※ このようなケースは、最近は少ないと思います。
「相談室」というのは、休み時間などにふらっと相談に行けるような場所だと私は感じてましたが、それとは程遠いようです。それだったら、保健室の先生を増やした方がましだと思います。
それに、スクールカウンセラーがどの程度担任などと連絡を取り合っているのか、あるいはスクールカウンセラーの存在自体が、一般の生徒や保護者にどの程度知られているのかも大きな疑問です。
スクールカウンセラーにしても、相談室にしても、役所の都合で作ったシステムで、利用者側の立場に立ってできたものではないのです。そのあたりがうまく機能していない原因でしょう。
「スクールカウンセラー」などで検索し、トップページを経ずにこのページを開いている人が散見されます。おそらくは、スクールカウンセラーを目指す人だと思うんですが、この現実をどうお考えなんでしょうか?
2017/02/12 更新