このページでは、「不登校」「高校中退」について「ねたろー流」の説明をしています。
「不登校」について
文部科学省はこんなこと言ってます。
文部科学省(以前は「文部省」)は、「不登校」を「何らかの心理的、情緒的、身体的、あるいは社会的要因・背景により登校しない、登校したくてもできない状態で年間30日以上欠席した児童、生徒」という、意味不明な定義をしています。
しかし、学校側は病気で休んだことにしたり、保健室・相談室登校や行政側が設置した施設(適応指導教室など)に通う子を出席扱いにしたりするので、実際のところ、この統計がどこまで正しいかは疑問も多いです。もっとも、学校が楽しくて行ってる子はほとんどいませんので、誰もが学校へ行けなくなってもおかしくない状態です。
上記のような理由で30日以上欠席した子どもの数(小中学生)
年 | 数(人) | 文部科学省の調査による。 |
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2016 | 134398 | |
2015 | 126009 | |
2014 | 122897 | |
2013 | 119617 | |
2012 | 112689 | |
2011 | 117458 | |
2010 | 119891 | |
2009 | 122432 | |
2008 | 126805 | |
2007 | 129225 | |
2006 | 126894 | |
2005 | 122287 | |
2004 | 123358 | |
2003 | 126226 | |
2002 | 131252 | |
2001 | 138722 | |
2000 | 134286 | |
1999 | 130227 |
統計を取り始めた1991年から2001年頃までは一貫して増え続け、その後は増えたり減ったりを繰り返しているようです。
最近の傾向としては、「いじめ自殺」がマスコミで取り上げられると増え、それがなくなる(→社会的に忘れ去られる)と減る傾向があるようです。上のグラフでは、2005〜2007年には「いじめ自殺」がマスコミに大きく取り上げられました。そして2012年の大津市の件以降は「いじめ」が原因で亡くなった子が度々ニュースで取り上げられています。今後も、このような傾向が続くと思われます。「『いじめ』と『不登校』は別個の問題」という人がいましたが、こんなところにも「いじめ」と「不登校」が密接に絡んでいることがわかります。
文部科学省や各自治体では、各学校にスクールカウンセラーを配置するなどの対策を取っていて、数が減った時期には、スクールカウンセラーの成果を強調し、増えたときは「親が無理に学校に行かせない」などとぼやいているようです。少なくとも、「学校で何が起こったのか?」ということには関心がないようです。以下に詳述。
どの子でも起こしうる問題行動?
教師向けに書かれた書物を見ると、「不登校」は「問題行動」の一つとして取り上げられていて、原因を子ども自身やその家族に押し付ける傾向があります。この手の活動をしている人、マスコミ関係の人もネガティブなイメージしか持ってないことがほとんどです。
むしろ問題にすべきは、そういう子どものかなり多くが、学校に行か(け)ないことで社会的に孤立していくことです。身体的にも精神的にも成長する時期に自宅に一人ぼっちでいることは、その子にとって絶対に不利益なことです。でも、それを解決するには、その子や家族だけで「努力」しなければならないんです。(学校の教師やカウンセラーは何も助けてくれない。「相談室とスクールカウンセラー」も参照) それがおかしいと、当方は考えています。
また、世の中いろんな人がいるのだから、学校に行かない人がいてもおかしくありません。「たくさんいる」といっても、全体から見ればごく少数で、人間社会としてはごく自然なことだと思います。
なぜ行けなくなるのか?
学校へ行か(け)なくなる理由でいちばん簡単なのは、いじめなどで心が傷ついた場合ですが、他の人がひどく叱られているのを見て恐怖感を覚えたり、みんなと机を並べて授業を受けること自体に違和感を感じ、行けなくなる子もいます。もっとも、いろんな理由が絡み合って行けなくなる場合が多いです。また、過去(前学年、前学校)の心の傷を引きずっていることもあります。だから、行か(け)なくなった理由がわかりにくいです。
また、親や教師などの稚拙な対応で、子どもと教師、親と教師の信頼関係が崩れていることも多いです。そうなると、信頼関係を構築していくところから始めなければなりませんので、早期の復学は困難でしょう。このような場合、学校側は積極的に関わろうとしなくなり、放置されることが多いようです。
一方で、学校生活に息苦しさを感じていても、「行かないと親がうるさい」と我慢して行ってる子もいます。精神安定剤を服用しながら行ってる子もいました。その「我慢」が原因で大人になってからストレス性の病気になるなど、別の問題も起こっています。しかし、本人が学校を卒業してしまうと、もはや学校の責任は問われません・・・。
いろんなことが言われていますが
「親の子育てが原因で行かなくなる」という人が教育、心理、医療関係に多いですが、根拠はありません。 これは私の感覚ですが、「学校に行か(け)なくなる子どもの親」と「学校に行ってる子どもの親」の間には、大きな違いはありません。 学校に行か(け)なくなってる子どもは、学校での出来事が原因で行けなくなってることが多いですし、今は行けてても、自分の子どもにそれがいつ振りかかって来るかわからないのです。 だから、この問題は誰が良い、悪いという問題でなく、また、学校に行ってない、行ってるに関わらず、親御さんや教師は自分の子どもの心の動きに敏感にならないといけないでしょう。
また、教師、カウンセラー、児童相談所、フリースクールなど、「不登校」に関わる人たちの認識が丸きり違うんです。これは、対応する場所によって方向性が異なり、それに合った人がその場所を利用するからです。つまり、各場所の人たちは、似通ったタイプのごく一部の人を見て、「不登校」全体を見ていると錯覚しているため、認識がずれてくるわけです。